この街のかたち 「唐人町1丁目ストーンズ」編


甲子園を目指す高校球児と、このおじさんたちの思いにどれほど差があるというのだろう。プロ野球選手を目指す少年が高校野球を通過点と考えているのなら、思いはむしろこのおじさんたちの方が限りなく透明に近いのかも知れない。

初めてこのチームに参加したのが4年前の春。当時、別のチームにも所属していた僕は、地元の唐人町1丁目ストーンズの誘いを断り続けていた。ヘタしたら週に3日ソフトボールの日になってしまう。

思えば、断り続けていた数年間がもったいなく思う。ストーンズに初参加した日のことを鮮明に覚えている。ストーンズのメンバー全員が、共通の話題を探して笑顔で話しかけてくれた。「なんて爽やかで優しいメンバーなんだ。」おじさんがおじさんをこんな風に感じることがあるだろうか。その印象は試合と試合後の飲み会を重ねるう
ちにどんどん深くなった。

参加して2年目の夏。校区の大会で優勝した。数十年ぶりの優勝だったそうだ。優勝の瞬間、監督が皆に背中を向け空を見上げていた姿を見て、僕はこの大会で勝つことを目指すメンバーの気持ちに初めて気付いた。

すごく申し訳なかった。その日の朝、ぼくは遅刻していた。メンバーが家のインターフォンを鳴らしてくれたのでなんとか試合に間に合った。二日酔いで試合い出た。チームの足をひっぱるダメなやつだ。このチームに誘ってくれた潮鮨のタケちゃんにも怒られた。

だから翌年は相当気合を入れた。大会に向けて走り込みもした。が、裏目にでた。気合に比例して緊張も高まりガッチガチになった。何でもないゴロをトンネルした。それがホームランになった。その1点差のまま最終回を迎えた。誰が打ったのかは覚えていない。とにかく誰かが打ってくれて逆転した。1点差で勝った。それが一昨年の夏だ。

そして昨年、ストーンズは3連覇した。

うまいメンバーが揃っているわけではない。野球経験者だって少ない。ただ、性格がいい。勝利以上に何かを目指してる気がする。とにかく真剣で楽しいチームだ。精一杯プレーすることに照れがない。こんなチームは奇跡だと思う。

尊敬するチームがある。サードを守っている人は確か今年86才。チームメイトのミスをめちゃめちゃ怒る。怒られる人は70代だ。平均年齢だって70才を優に超えている。ああなりたい! あのチームが目標だ。

まさにフィールド・オブ・ドリームス? いや、あの映画は亡くなった名選手がでてくるやつだし、亡くなってないし、名選手じゃないし、タイトルは「限りなく透明に近いおじさんたち」で「おじいちゃんたち」じゃ意味変わってくるし、・・・・いやいや、まあ兎に角目標だ。


唐人町1丁目のレジェンド。歴史を繋いでくれた人。優勝カップがよく似合う。


3連覇に乾杯。猛暑の中で3試合を行ったおじさんたちは、疲れきってすぐに酔っぱらう。


はじける笑顔。打ち上げは続く。深夜まで続く。もちろんソフトボールの話ばっかり。一緒にやりませんか? メンバー募集中。

2017年8月20日このおじさんたちの熱い暑い一日がまた訪れる。

2017-08-19 | Posted in 日々のことNo Comments » 

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